親鸞聖人・高僧他

24. 無明の闇とは。それが晴れるとはなに。

(晴れないと安心・満足の人生はおくれないのか)

1.概要

親鸞聖人は比叡山での20年間におよぶ厳しい修行をしても苦悩(闇)は無くならなかった。煩悩と言っても良いかもしれないが、無くなるどころかますます増すばかりであった。山を降り、真の知識(仏教を教える師:ここでは法然上人)に出会い、その教えにより、無明の闇が晴れ、無尽の法悦を得ることができたと。

無明の闇は「苦悩の根元・死んだらどうなるかわからない後生の暗い心」を言い、
苦悩の根元である疑情(本願を疑う心)がなくなったことにより、無明の闇が晴れたと。

2.文証・概説

親鸞聖人は「教行信証」で次のように述べており、で苦悩の根元は無明の闇とおっしゃっている。その闇は疑情であると。

生死しょうじ輪転りんてんいえ還来げんらいすることは けっするに、じょうをもって所止しょしとなす」 (正信偈)

(迷いの状態で、一歩も家をでれない(苦しみの枠を出れない)、繰り返される。それは、疑うこころ(本願への疑い)が原因である)

本願を疑う心があるうちは決して無明の闇が晴れないということ。

自分の考えを優先することです。阿弥陀様の考えと自分の考えと比べれば、自分の考えなんて、たかが知れていると思った方がいいということでしょう。自分の考えにとらわれてはいけないということ。

生死しょうじ:仏教用語で、生きること、死ぬことではなく、迷っていることを意味します。

じょう:疑う心(ここでは阿弥陀様の本願を疑うこと。教えを疑うことになります)

所止しょし:原因

 

また、親鸞聖人は法然上人との出会いを「高僧和讃」で次のようにうたわれている。

しん知識ちしきにあうことは かたきが中になおかたし 流転るてん輪廻りんねのきわなきは じょうのさわりにしくぞなき」 (高僧和讃)

(真実の仏教を教える方に、会いたくてもなかなか会うのは甚だ難しいことである。苦悩の根元は、疑いの心(無明の闇)である。)

 

親鸞聖人はその会い難い方(法然上人)に出会えたことで、流転輪廻から脱出できた。阿弥陀仏の教え(本願)に、疑うこころがなくなったことを言うのであろう。

流転るてん輪廻りんね生死しょうじ輪転りんてん六道ろくどう輪廻りんねと同じ意味。

果てしなく惑わせ苦しむ世界。(苦しみの回転とも言おうか、良かったり悪かったりはするものの、終わりなき苦しみのこと)

 

難思なんしぜい難度なんどかいする大船たいせん、 無碍むげ光明こうみょうは、無明むみょうやみするにちなり (教行信証)

(弥陀の誓願は苦しみの波の絶えない人生の海を、明るく楽しくわたす大船である。弥陀の光明は、無明の闇を破り、後生ごしょう明るくする、智慧の太陽だからである。)

十方じっぽう衆生しゅじょう(すべての人間)は阿弥陀仏の本願で苦しみの世界から脱出して救われてほしい。ということでしょう。

 

3.補足説明

親鸞聖人は法然という「真の知識(真実の仏教を教える師のこと)」に会えたことにより、その教えによって無明の闇が晴れ、その後の平安な迷いのない人生を送れたということ。当時としては相当な長寿90歳まで生きられた。

苦しみの根元は「無明の闇」と言われ、それが取り除かれた。

難しい修行をしなくてもよいので、教えにそってやってみる。いつしか、一念で苦しみの世界を卒業できるかもしれない。

一念:無明の闇がなくなった心。「一念」というは信心、二心ふたごころきがゆえに、「一念」という。 (教行信証)

二心:無明の闇のこと。

 

親鸞聖人は、無明の闇が晴れ、人生の目的の完成した世界を「一念」と表現されている。

 

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